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「川端君は、どんなの読むの?」 「俺は…結構いろんなジャンル読むよ。だから手っ取り早く図書委員になったんだ。 当番のときはずっと読み漁ってる。」 屈託なく笑う彼に、余計感動を覚えた。 すごくナチュラル。 まさに同級生って感じ。 急に親近感を覚え、思わず笑みが溢れてしまう。 「松谷って…見た目の印象より、よく笑うんだな?」 「…えっ…?」 「なんか教室とかだと、人を寄せ付けないオーラ出してるから、近寄りがたかったんだけど、意外に話しやすいんだと思って。」 「……。」 それ、この前柳さんにも言われたような気がする。 「悪い。怒った?」 「ううん…そうじゃなくて…この前も似たようなこと言われたから。 私ってそんなに雰囲気悪かったんだなーと思って。 ごめんね?」 クラスの子が話しかけてこないのは、私がいけないのかもしれない。 逆恨みはともかく、もしかしたらこうして話すことができたのかもしれないのに、私自身が機会を与えないようにしてたのかも…。
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