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涼しい顔して余裕の先生とは違う、未だ顔が赤い私を置き去りにして。 「…顔赤いけど、何かあった?」 先生っ!! 「…実は今転びそうになったのを、先生に助けてもらって…。」 嘘じゃないのに、なんか言い訳くさいかな?なんて思ってしまうのは後ろめたいから。 こうなることわかってたに違いない。 佐伯先生のドSーーー!! 「そうなんだ…。貸して、俺が持つから。」 「えっ!?いいよ、大丈夫。川端君だって持ってるじゃない、本。」 「いいから。ほら。」 ヒョイっと私の手から本を取り上げ、自分の持っていた本の上に重ねると、スタスタ歩き出す彼の後を小走りで追った。
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