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「…佐伯先生って、カッコいいよな。」 ポツリと呟いた川端君の横顔を見上げた。 …もしかして、怪しいとか思ってる? 「女子が騒ぐのわかる気がする。外見もそうだけど、やることがスマートっていうか、さ。 嫌味じゃないところが、男子にも人気あるんだろうな。」 「そうだね…。」 ただの感想か…。 ホッと胸を撫で下ろし、準備室の先程の席に座った。 私が選んだ本に目を落としながら、 「あ、俺もこれ探してたんだ。 なんだ、松谷が持ってたんだ。」 1冊の本を手に取り彼は笑った。 「じゃあさ、お互いこれを選んだってことで、うちのクラスの推薦本はこれにしない?」 「うん、そうだね。」 二人の意見が一致したということは、これが私たちのイチオシってことなわけだし。 「それじゃ、あらすじ考えようか。 セリフはどこがいいかな?」 パラパラと本を捲り、紹介に合いそうなセリフを探す。
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