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1冊の本を二人で覗き込むしかなく、気が付くとかなり密着していた。 「これなんか、どう?」 少しだけ身体を引いて、彼の指差す文章に視線を落とし読んでみる。 『深夜0時の鐘が鳴るとき、それは始まる。』 「うん、良いと思う。」 「…この前後に入れる文章を考えよう。」 夢中で二人で作り上げていくと、 「では、来週の金曜日、もう一度ここに集まり、各クラスの推薦本とあらすじを提出してもらいます。」 委員長が、委員会の終了を知らせた。 数ケ月図書委員をしていて、初めて川端君と教室に一緒に戻る。 「来週から放課後残ってやろう。」 「わかった。」 そう約束して、私たちは別れた。
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