588人が本棚に入れています
本棚に追加
1冊の本を二人で覗き込むしかなく、気が付くとかなり密着していた。
「これなんか、どう?」
少しだけ身体を引いて、彼の指差す文章に視線を落とし読んでみる。
『深夜0時の鐘が鳴るとき、それは始まる。』
「うん、良いと思う。」
「…この前後に入れる文章を考えよう。」
夢中で二人で作り上げていくと、
「では、来週の金曜日、もう一度ここに集まり、各クラスの推薦本とあらすじを提出してもらいます。」
委員長が、委員会の終了を知らせた。
数ケ月図書委員をしていて、初めて川端君と教室に一緒に戻る。
「来週から放課後残ってやろう。」
「わかった。」
そう約束して、私たちは別れた。
最初のコメントを投稿しよう!