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ハァハァ…ッ…!
膝に手をついて、肩で息をする。
疲れたー!
学校から休むことなく猛ダッシュ。
乱れた髪を整えないと、佐伯先生来ちゃう。
慌てて手ぐしで直していると、横に停められた車…。
「…なんか、疲れてない?」
車に乗った私にかけられた第一声はそれだった。
いろいろあるんです…。
説明したら、せっかく先生が送ってくれるって言ってくれたのに、気にしちゃうでしょ?
もう守られるだけは嫌だから。
「松谷?」
「つ、疲れてません。」
覗き込まれて、動揺してる場合じゃないのに、先生があまりにカッコいいから…
長い指先が伸びて、頭に置かれる。
…え?
そのままクシャっと撫でられた。
「無理するなよ。
何かあるなら、ちゃんと言うこと。」
「…はい。」
素直に返事をした私に、口角を上げ優しく微笑む先生。
……。
キス、したい…。
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