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肯定してくれただけで満たされる…。
たとえ『好き』をくれなくても。
佐伯先生のその答えが私には宝物だから。
心を温めてくれる。
ギュッと掴んでくれる。
撫でてくれる。
「…松谷…。」
先生の少し掠れた声で私を呼ぶのも、触れる指先の温もりも、柔らかな唇も…すべてが愛しい。
佐伯先生の頬に、すりっと擦り寄せた頬。
もうちょっとだけ甘えててもいいかな?
「お前さ…もう少し身の危険を感じた方がいい。」
「…はい?」
「俺が男だってこと、忘れてない?
無防備過ぎ。手を出さないとでも思ってんの?」
瞬きを急速に数回して、先生の顔をマジマジと見つめた。
それって……
考えていると、シートが後ろに倒れ、当然寄りかかっていた身体も釣られるように倒れた。
だけど視界は暗い。
先生によって影ができて…。
私の頬を佐伯先生の大きな手のひらで包み込んで、顔を近付けてきた。
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