32/32
前へ
/258ページ
次へ
しょげていると、ふっと先生の笑い声が聞こえた。 「…どうしたんですか?」 「お前が、今の俺と同じ年齢になったとき、イイ女になってるんだろうなと思ってさ。」 「え…?」 イイ女?…私が? 「そ、そうでしょうか?」 「うん。絶対そうなってるよ。 そのときは、今よりもっと、心配したり嫉妬したりするんだろうな…なんてな。」 悪戯っぽく笑う先生が、可愛い。 好きの代わりにくれる言葉が嬉しい。 「私は、先生一筋です。」 「…それから、絶対振り回されるな。」 「え?」 先生はチラッ私を見て、何でもないよ、と言ってシフトレバーから手を離し私の手を握った。
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

588人が本棚に入れています
本棚に追加