588人が本棚に入れています
本棚に追加
ああ…ニヤニヤが止まらない。
「お前、なにニタついてんの?キモイぞ。」
家に戻っても、緩みっぱなしの私のだらしない顔を見て、お兄ちゃんが怪しいものでも見るように、私に視線を投げ掛けた。
キモイとか言わないでよ。
今幸せに浸ってるとこなんだから。
「てか、お兄ちゃんどうしているの?」
「お前さぁ…そういう聞き方、可愛くねえし。
今から達也と響太郎が遊びに来るんだよ。」
何よ、自分だって私のことキモイとか言ったくせに。
苦情を呑み込み、リビングのソファーに身体を抱えるようにして丸くなる。
膝に顔を隠さないと、またニヤケただらしなさを、お兄ちゃんに突っ込まれ兼ねない。
「なんか最近お前、元気だよな。」
「そう?」
「男でもできた?」
……。
兄よ、普通そういう聞き方を妹にする?
「できたんだ?」
「何も言ってないじゃん!」
「顔に出てんだけど。」
顔に!?嘘…マジで?
お兄ちゃんの顔をこっそり見ると、ニヤリと笑って私を見つめていた。
最初のコメントを投稿しよう!