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うっ…
17年の付き合い恐るべし。
やっぱり見破られちゃうんだ。
「どんな男?」
「…どんなって…優しくてカッコいい人。」
私のクラスの副担だけどね…。
言えないけど。
「タメ?」
首振って答える。
バレそうで怖いんだけど。
「先輩?」
「そ、そんなとこ。」
この際それで通した方が良さそうだ。
お兄ちゃんを欺く術なんて持ち合わせていないし。
「なんだよ、その曖昧な答えは。
……まさか、達也じゃないだろうな?」
急に鋭くなる声に顔が引きつる。
「俺がどうしたって?」
リビングのドアが開いてて、いつの間にか達也さん本人が登場して焦る。
達也さんの後ろから響ちゃんも顔を出した。
「お兄ちゃんッ!違うから!」
慌てて否定した。
いくら誤魔化すためとはいえ、それはマズイよね…。
てか、早く部屋に行ってほしい。
超気まずいんだけど。
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