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こうして周りの人にも、心配という形で爪痕を残してる。
「大丈夫だよ、もう。」
あの日以来、兄も響ちゃんも必死に私を守ろうとしてくれた。
そして今は、先生もいる。
「心配かけてごめんね。」
「いや…。」
一人じゃないって、本当に心強い。
「……。」
「……。」
なんとなく気まずい。
響ちゃんはもともとそんなに口数の多い方じゃないけど、部屋を出ていく気配もないし、もしかしてまだ話があるの、かな?
「…響ちゃん?」
堪えかねて私の方から口を開いた。
「…お前さ、本当に男できたの?」
「えっと……うん、まあ…。」
直球過ぎて、照れくさい。
顔を赤らめてモジモジしている私を、彼は濡れる瞳で見つめていた。
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