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誰かに彼氏ができたと告げたのはこれで二度目。
岸田先輩に打ち明けたときは、聞いてほしくて言ったわけじゃなかったから、今日は少し嬉しい。
「男嫌いだったわけじゃなかったんだ?」
「男嫌いって…嫌いとかじゃなく、そういうことに興味がなかっただけ。」
興味がなかったというか、本当はよくわからなかった。
異性を好きになるということが、友達を好きな感情とどう違うのか、好きに種類があるということ自体が理解できなくて。
でも、先生に会って初めてその意味がわかったと思う。
恋という、形にはならないけれど、心の中でどんどん育つ感情の意味を…。
「興味、ね。
その男のこと好きなんだ?」
「うん。」
「大事にしてくれてる?」
「うん、してくれてるよ。」
響ちゃんは口の端を上げ、少し寂しそうに笑って、「そっか」と呟いた。
そして、
「俺さ…たぶん志歩のこと、好きだったんだと思う。」
俯いて小声で囁いた。
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