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漢字の部分をすべてひらがなにして…
あとはこれを最初の文字から一字ずつ抜いて…
のいいてんてき、そとくづたいのた、おそに。
んにぜぶすかてくなた。
だもみめ、けけいこみえしきのなだうれ、をいいいてんてき。
とはやでるき、らにいて…
のたくたか、けのむもとこにんたれ。
「…ねえ、志歩…最初の文より意味がわからなくなってない?」
「う、うん…あれ?間違えたかな?」
もう一度やり直してみても結果は同じで、結衣と顔を見合わせて首を傾げた。
どういうこと?
素直に読んだってよくわからないのに、暗号を解いてみたらもっとわからないなんて…。
本鈴が鳴ると、カラカラっと音を立てて引き戸のドアが開けられた。
「出席とるから席ついて。」
その声に顔を上げた途端、『キャーッ!』と女子の黄色い声がして驚いてしまう。
佐伯先生…。
「志歩、ちょっと借りるね。」
ポカンと見惚れている私にそう言って、結衣がたった今謎解きをしていた紙を手に取り前を向いた。
「先生、おはよ!」
「…おはよう。」
「なに、なに?秋山出張?」
はしゃぐ西野さんに、先生は肩をガックリと落とし、
「こら、西野。秋山先生を呼び捨てにするなって言ってるだろ。
秋山先生は今日、体調を崩されてお休みです。
じゃ出席とるから返事して。
伊藤……緒方……」
出席を取り始めた。
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