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廊下を歩いてしばらくすると、ふっと笑う声が聞こえて見上げると佐伯先生が苦笑を浮かべていた。 「松谷…挙動不審。」 「…え?」 「お前が怖くないように一緒にいるんだから、安心して。」 それはすごく心強い。 でも… 「先生と一緒のところを見られたらと思うと…」 「生徒玄関の先に職員室があるんだから、別に一緒に歩いてたって不自然じゃないだろ? 別に手を繋いでいるわけでもあるまいし、普通の副担と、生徒にしか見えないよ。」 それはそうかも。 よくある光景、だよね。 先生が生徒と校内を歩くなんて自然なこと、だよね? 変に意識し過ぎたことをこっそりと反省していると、 「わからなくもないけどね。 あんな手紙何通もきてたら相当怖いよな。」 心配そうに見下ろした。
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