恋の授業

１

そうだよね、聞いてたなら当然そこも聞いてるよね？

けど、佐伯先生に言えない以上、それを認めてしまったら先生に誤解されてしまう…。

返事に詰まって俯いていると、

「別に恥ずかしいことじゃないじゃん？」

頭上から穏やかな声が響いた。

そういうことじゃなくて…。
やっぱりヤダ。

佐伯先生を好きだけど、先生に他に好きな人がいると思われるのだけは。

「い、いません…。さっきは、断る理由が思いつかなくて悩んでたら、岸田先輩にそう問い掛けられたので、つい頷いちゃっただけで…。」

「ふーん。」

流し目で見る先生の色っぽさにクラクラしてしまいそう…。