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「普通ってさ、誰が決めると思う?世間の人?親?それともお前?
俺はさ、普通の恋の定義はわからないけど、松谷が好きになった人が間違いだとは思わないんだ。
だってさ、松谷自身が好きじゃないのに、無理して気持ちを捻じ曲げて心に逆らって、そのお前が言う同年代との恋が、松谷にとって幸せかって言ったら、そうじゃないと思う。
辛くても苦しくてもそれが恋なんだろうし、結ばれたとき幸せだと思えるんだろうし。好きじゃなきゃ、喜びも痛みも感じることはないよね。
だから俺は、松谷が誰を好きでも応援するよ。」
うわぁ…泣きそう。
金やん、素敵過ぎる!
「私だって…わかってるけどっ…」
「松谷だってわかってるくれてるよ、結衣が単に、松谷に辛い思いをして欲しくなくて、素直に応援できないことくらい。
な?松谷。」
「う、うんっ!」
わかってるよ、結衣。
ほら、な?とでも言うように、金やんは結衣を見下ろした。
優しく微笑むその横顔に、私まできゅんとしそうになる。
金やんは去年同じクラスだったけど、こんなに大人だったなんて知らなかった。
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