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チクリと痛みが襲い、閉じた目を固くすると、すぐに違和感がなくなった。 「終わったよ。…ずいぶん、派手にやったんだな。めちゃめちゃ長い刺…。ほら。」 ピンセットの先端で摘んだ刺を私の目の前に翳した。 ホントだ…。 放課後、図書委員の私は、傷んだ書籍の修理をするため、木造の本棚から本を取り出していた。 古い棚で所々捲れ、木が毛羽立っていたのはわかっていたのだけれど…。 少し高い場所から本を取り出したとき、バランスを崩しそこに手を付いて掴まってしまい、刺が指に食い込むように刺さってしまったのだ。 その拍子に持っていた本はバサバサと音を立てて落ちてしまい、図書委員の担当である先生が、慌てて駆け付け、今に至るわけで…。
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