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岸田先輩への罪悪感みたいなものがしだいに消えて、心が軽くなった。
「岸田もまだ若いし、大丈夫だよ。失恋も心の痛みを知ることも成長のひとつだから。
松谷の心を動かす奴ってどんな男なんだろうな?
好きな人もいなくて若いのに、わりと頑なだよな、お前。」
……。
そんなわけないじゃん、先生。
好きな人がいるから、頑ななの…。
…って、この前言ったこと、信じてくれてる先生には言えないけれど。
「き、気持ちがないのに、ノリで付き合ったりして何か意味があるのかな?と思うと気が進まないんです。」
「…確かにそうだな。」
フッと笑って先生は長い足を組んだ。
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