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佐伯先生は私の方を見て、にっこり笑った。
「お前のそういう真面目で律儀ななとこも好きだけど、それくらい甘えて頼って構わないよ。
松谷は他の生徒をもう少し見習った方がいいかもな。」
今、好きって言った…。
そういう意味じゃないのは百も承知だけど、好きって言われたっ!
小躍りしたい気持ちをグッと堪える。
「たまに横着して、この前みたいに怪我されても困るしな。」
…はい、すみません。
意地悪な顔で笑われてるのに、そんなことどうでも良くて、覚えていてくれたことが嬉しい。
些細なことでも、先生の記憶に留まっていられることが、こんなにも胸を熱くする。
嬉しすぎて泣きそうになった。
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