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「見回り。大通りの反対車線走ってたら、うちの制服がこっちに曲がるの見えたから、Uターンして急いで追いかけて来たら、お前だった。」
なるほど…。
ていうか、死ぬほど怖かった。
「後ろ歩いてた男、怪しかったといえば怪しかったな。」
「やっぱり、いたんですよね。…怖くて確認できなくて。」
「だよな。…何もされてない?」
私を上から下まで見て先生は確認しているようだった。
「お前、家どこ?」
「T町です。」
前を向いていた先生は、ああ、と納得したように頷いた。
「それならこの道通るしかないよな…。
夜一人で出歩くなよ。」
「はい。」
心配さると、くすぐったい。
やばっ…ニヤけそう。
佐伯先生といると、どうしてもだらしない顔になってしまう。
緩みっぱなしの顔をどうにか元に戻して、運転する先生を盗み見た。
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