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そうじゃなく、…先生が気になるんだけど。
だって先生が見た男の人、私は見てないし…。
「佐伯先生…私は大丈夫なので、あんまり思い詰めないでください。
先生はいつだって私を助けてくれて、それだけでも十分感謝してるんです。
もしこの先、先生に助けられなかったことがあっても、自分を責めないでください。」
佐伯先生は瞬きもせず私の顔を見て、眉を潜めた。
「お前、なに言って…」
「先生は責任感が強いから。
もし間に合わなくて、生徒が被害にあったりしたら、自分を責めてしまいますよね…。」
ひとつしかない体で、数百人といる生徒ひとりひとりを守るなんて無理なのに、先生は…それでも心を痛め、苦しむんだと思う。
今の先生からは、それがヒシヒシと伝わってきて仕方ない。
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