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「松谷、今日はもう帰っていいよ。」
「…でも、修理も途中なので。」
それに先生と一緒にいれるし…。
「その手じゃキツイだろ。いいよ、無理しなくて。
どうせ誰も来ないだろうし。」
佐伯先生は、救急箱に消毒液を戻し、
「それにお前ちゃんと毎週サボらないで当番来てるし、委員会も出席してるしな。
今日くらいは俺が代わってやるから。」
ニコッと笑った。
ここは、素直に聞くべき…だよね、残念だけど。
「わかりました。すみません…。」
「ん。気を付けて帰れよ。」
「はい。さようなら。」
挨拶をして、後ろ髪がものすごく引かれたけれど、帰ることにした。
保健室を出て図書室に鞄を取りに戻り、私は学校を後にした。
校医の先生がいなくてラッキーだったな…。
佐伯先生に直接手当てしてもらえちゃった。
歩きながら頬を緩ませ、さっき先生に掴まれた手を見つめた。
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