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††
「…志歩、今帰ったのか?」
「うん。お兄ちゃん、いたんだ?」
2歳年上の兄、圭介は、今年大学生になったばかりだ。
3年、4年を楽にしたいと、毎日みっちり講義を入れている。
そのあとは遊びに行くか、バイトをしているかなので、最近では、顔を合わせることが少なかった。
「おっ!志歩ちゃん、こんばんは。」
兄の部屋から出てきて挨拶をしたのは、同じ大学に通う達也さんだった。
「こんばんは。」
「やっぱ女子高生っていいなあ。…って!」
バシッと後ろから殴ったのは、兄と同じ年の幼馴染みで、響太郎こと響ちゃんだった。
響ちゃんもいたんだ…。
「…オヤジ臭いこと言うなよ。」
「なんだよ、響太郎。
だってさ、ついこの間まで制服ばかり見てたのに、今はケバい女子大生ばかりじゃん…。それはそれでいいけど、やっぱ懐かしいし、制服って魅力的じゃね?」
な、なんか、視線がいやらしく感じるのは、気のせいだろうか…。
「達也…うちの妹に欲情すんなよ。」
兄は達也さんを冷やかに一瞥した。
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