588人が本棚に入れています
本棚に追加
黒板の前では先生が丁寧に教えている。
数学だけは毎回完璧に予習、復習をしている私は少し後悔した。
佐伯先生にマンツーマンで指導されたいなら、わからない所を残しておくべきかも、なんて邪な考えが浮かんですぐに打ち消す。
「あ!わかった!!」
笑顔で万歳をする結衣に、先生は嬉しそうに笑って、
「コツを掴むとすぐだろ?」
と言って、吉田戻っていいよ、と付け加えた。
「マジやばかった…。」
結衣は席につくなり、盛大な溜め息を漏らした。
「よかったじゃない、わかって。」
「まあね。でも、私には志歩様特製ノートがあるからさ。」
全然懲りてないし…。
最初のコメントを投稿しよう!