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結衣は顎に手を当て、その肘を組むように支えた。
その姿は、まるで探偵。
「…まあ、でも…。
志歩には甘いわよね、ドS先生。」
結衣はニヤニヤしながら私を見つめた。
「結局、あの先生も男だったってことよね。美人に弱い。」
「そんなことないよっ…。」
美人じゃないのはともかくとして、佐伯先生が外見でどうのっていうのは絶対あり得ない。
きちんと中身も気持ちも認めてくれる人だよ、先生は。
…そりゃ、少しは贔屓されてたら、ちょっと…や、かなり嬉しいとは思うけど。
でもそんなの、佐伯先生に限って絶対あり得ないし。
「あるある。所詮男なんてみんな獣なんだから。」
私の心を見透かしたように言った結衣。
けど、なんか…まとまり悪くない?
最後は男でひとくくりになってるし…。
思わず苦笑いを溢した。
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