14/43
前へ
/258ページ
次へ
教室に入るとちょうど本鈴が鳴り、5限目の先生が入って来た。 「後で、報告してね。」 振り返り楽しそうに私にそう言った結衣を、ジロリと睨むと慌てて前を向いた。 いつも肝心な時に消えるんだから。 いや、でも…。 金やんといる結衣と一緒にいる私の方が変なのかも。 普通は二人きりにしてあげようと思うものだし。 だけどそれはカレカノだからそう思うのであって、岸田先輩と私はそんなんじゃない。 深く考えるのはやめよう。 それにしても、遊園地に岸田先輩と行くって、いいのかなぁ。 遊園地には行きたいけど、先輩とっていうのはちょっと気が引ける。 どんなに同じ時間を共有したところで、私は佐伯先生を好きなわけで、変に期待させちゃ悪いよね。 ああ、気が重い。 どうしてこういうことになっちゃっうんだろう。
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

588人が本棚に入れています
本棚に追加