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「…なーにやってんの、お前ら。」 その声に瞑っていた目を開けると、佐伯先生が叩こうとしていた先輩の手を掴んでいた。 「佐伯…先生…。」 見る見るうちに先輩たちの表情が青ざめていくと、先生は掴んでいた手を離した。 「揃いも揃って、後輩イジメ?」 無表情の佐伯先生に、先輩たちは俯いて唇を噛み締めている。 「安藤、佐々木、和田、横山…お前ら受験前のこの大事な時期に、こんな問題起こしてどうする気なんだ。」 「ち、違うんです、先生。その子の態度が悪くて、ちょっと注意してたんです!」 ショートカットが口を開くと、他の先輩たちも目を合わせて、うんうんと頷いた。
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