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「お前は俺に心配をかけるのが趣味なの?」 「いえ…決してそんなことは…。」 ないって自信を持って言えないのは、今まで助けてもらってきてるから。 どんなにきれい事を言ったところで、佐伯先生に迷惑をかけてることには変わりない。 岸田先輩にきちんと言うことが先生に迷惑をかけない一番の方法なのに。 「…言います、先輩に。」 大好きな佐伯先生に迷惑をかけるくらいなら、岸田先輩に本当のことを言って、校内では距離を置いてもらうのが一番だと思うから。 「ん。その方がいいかもな…。」 先生は口元を緩ませ、私の頭をポンと撫でた。 「岸田の件がなくても、俺はお前のこと心配してるけどな。だから…俺に迷惑かけたくないとか、一人でどうにかしようとか思わないで、何かあったらすぐに相談に来ること。 一人でどうにかしようっていう方が、心配だから。わかったか?」 「…はい。ありがとうございます。」
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