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あんな風に意思表示できたら、私ももっと先生と話せるのかな…? 「西野…用もないのに来るなよ。」 佐伯先生が呆れた顔をして言うと、生徒全員が笑った。 「だって秋山ったら、職員室に入れてくれないんだもーん。佐伯先生呼んでって言っても却下するし。酷くなーい?」 さらに食い下がる西野さんの根性というか、根気に、やっぱり、自分には彼女のようになることは無理だと悟った…。 「こらっ、呼び捨てにするな!そうか…西野、お前のせいだったんだな?俺が秋山先生から目を付けられる原因になったのは…。」 片手で額を押さえそう言うと、またどっと笑いが起こった。 男女問わず人気者の先生。 「…志歩。にやけてるよ。」 前の席の結衣が体を横にして、机に肘を付いた状態で私を見つめた。
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