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うなじから耳元にかけて押さえられた手の温もりに、拒むことができない。
先生の唇は時間をかけて私の瞼からこめかみへ、そして頬へと降りて来た…。
ファーストキスの予感が、私を緊張させる。
でも、佐伯先生が相手なら後悔しない。
むしろ、嬉しいくらい…。
覚悟を決めて先生の唇が、私の唇に到着するのをドキドキしながら待った。
けれどその衝撃が私に訪れることはなく、佐伯先生はスッと手を引いた。
「…少しは、抵抗しないとダメだろ?」
またポンと頭の上に手を乗せられて目を開くと、困ったように笑う先生が飛び込んできた。
抵抗なんてできるはずないのに…。
「流されてどうするんだよ。」
「……。」
流されたいと真剣に思ってしまう。
佐伯先生になら、何をされても私…後悔しないから。
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