32/43
前へ
/258ページ
次へ
どんな理不尽な理由でも、佐伯先生に見てほしい。 抱き締めて、キスをして、触れて…そう思えるのは先生だけだから。 「…後悔、したくないんです。他の人じゃイヤ。 誰にも汚される前の、綺麗なままの私を、先生に見てほしい。」 困惑の色を浮かべた先生が、じっと私を見つめてる。 きっとどうやって傷付けないで断ろうかと考えてるんだと思う。 困らせたいわけじゃない…。 でも、もう自分の気持ちを抑えるのが限界だよ。 あんな風にキスされたら、止める術なんてわからない。 「せんせっ…!」 沈黙に堪えきれなくなって口を開いたとき、佐伯先生の大きな手が伸びてきて私の後ろ首をグイッと引いて、唇が重ねられた…。 嘘…。 目を見開いた私の目の前には先生の綺麗な顔があった。
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

588人が本棚に入れています
本棚に追加