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息をつめて驚いていると、さらに強く引き寄せられて、ぎゅっと固く目を閉じる。 佐伯先生は唇を吸い、薄く開いた唇から少し出した舌で私の唇を舐めた。 クラクラしてきて佐伯先生のシャツを掴でしまう。 柔らかい先生の唇の感覚が甘く熱を残して、ゆっくりと離された。 胸を押さえて、乱れた呼吸を調えていると、 「教師を挑発するなよ…。」 フッと笑いを漏らした先生の声が耳に届いた。 「…すみません…。」 呟くような小さな私の謝罪に、またクスッと笑う。 「…お前、ファーストキスの相手に、俺を選んだりして、後悔しないの?」 「しっ…しませんっ…!」 拳を作り、力強く言ったことに、恥ずかしくて俯いてしまう。
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