34/43
前へ
/258ページ
次へ
そんな私に佐伯先生はクスッと笑った。 先生…その顔は反則。 ときめきが止められません。 今なら言えるかも…。 ずっと温めていた、胸に秘めてきた想いを──… 「さ、佐伯先生…。」 「…なに?」 「……。」 好きです、そのたったひとことが言えない…。 もじもじしていると、先生が口を開いた。 「あのさ、松谷。」 「…はい…。」 「…言いにくいんだけど。」 えっ…なに、この改まった、言葉に詰まるような、まるで、こっ…告白を連想させるような…… ごくっと固唾を呑んで、佐伯先生の言葉を待った。 「お前の口、さっきからパクパクして、…金魚みたいなんだけど。」 …はい?
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

588人が本棚に入れています
本棚に追加