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「それはもう。一度で良いから会って見たかったから。」
千津留は、夕飯を一時中断して会話を楽しんでいたが、向かいに座っていた黒子が白い塊になっていたのは千津留は勿論、美琴も気付かなかった。
「それじゃ、水越さんが「ねぇ…御坂さん。」。ん?」
千津留は、美琴の話しを中断させた。
「あの…私のこと千津留って呼んでくれないかな?なんか他人行儀みたいで嫌なんだ。水越さんって呼ばれるの。」
そう言って千津留は暗い陰を落とした。
美琴は千津留の陰の部分を理解した。自分自身、御坂様と呼ばれ挙げ句の果てに常盤台のエースと呼ばれ渦の中心にいたが、誰しも“御坂美琴”で見てはくれては居なかった。そう向かいに座っていた黒子や黒子の友人や自分の彼氏以外からは。だからこそ千津留の願いも解ったのだ。
「解ったわ。千津留。私も美琴で良いから。良いわよね…黒子。」
「それは勿論ですわ。何せお姉様の思いは解りますので。私のことは黒子と呼んで下さいまし。千津留さん。」
「ありがとう…」
千津留は目頭に涙を浮かべて笑った。
「あ~。泣かんで良いからご飯食べ終わらせましょ。」
そう言って三人は夕飯を食べ終わらせて部屋に戻った。
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