夜冴

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 心象は照明 浸る夢の間  心影は燭台 揺らぐ命題  空色の窓枠 いつかの声  左下の傷跡 その時の現  瞼を閉じて 闇に映す姿  色を留めた 僅かな瞬間  生けた花が散るより早く  最後と決めた約束は枯れ  花びらの開く夜の水面で  俯いたまま溢れ出した涙  嗚咽は弾けた熱に消され  想いは儚くも溶けていく  笑い合う人 騒ぐ空の後  舞う愛の歌 潜む影の僕  包む熱の波 退く月の光  望む終の華 背く心の念  散りゆくそれもまた重ね  離れていく人波も乗せて  言葉にならない愛の声音  続けられる世の疎ましさ    君は何処?   僕は笑えてるかな?  きっと君は気付いていた  だから僕にそう約束した  夏の飾りが散るその場所  無数の影が映る橋の下で  上がり弾けて空に溶ける  交わした一つは形を結ぶ     君はたぶん隣に居て   だから僕は   きっと笑えてた .
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