エピローグ

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 「----ホント、どうしてこんな事になっちゃったのかしらね?」  安っぽい蛍光灯に照らされた教室の中で。  誰のかも分からない椅子に座りながら、ハル-----〈クラスタ〉のリーダーは、そう言いながら笑った。  僕はその質問に答える気にもなれず、黙って窓の外を眺めた。  今は夜の9時。窓の外の風景はもうすっかり深い藍色に覆われていて、風の吹く音しか聞こえないくらいの無音。  所々にたっている電灯に、蛾が群がっては焼死していくさまが唯一の動きある風景だった。  当然そんなもの見たくもないので、僕は視線を教室の中へ移動させる。そこでは、まだハルが僕の答えを待っていた。 --------何でこうなったかなんて知らないよ。僕が1番知りたい。  無言の圧力に堪えられなくなって、僕はようやく彼女と目を合わせてそう答えた。
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