エピローグ

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   そんな僕の様子にかまわず、彼女は言葉を続ける。 「シロ。貴方は、本来ありえない最強の称号を持って、そして喪った貴方は、この学園----否。この〈檻房〉の中で、あなたは戦う?それともその他大勢と同じように逃げる?」  日常のなかで聞いたら、頭のおかしい冗談としか思えない質問。   けど今の僕には、それはどうあっても答える必要のあるもので。そして、答えなどもう決まっていて。  ふと、その時窓から一匹の、みすぼらしい蛾が教室に迷い込んできた。  そいつは、しばらく空中をさ迷っていたが、やがて天井の照明へ向かう。  そして、その光に触れた途端、バチッ、という音とともに、その蛾は地面へ墜ちていった。
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