5人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな僕の様子にかまわず、彼女は言葉を続ける。
「シロ。貴方は、本来ありえない最強の称号を持って、そして喪った貴方は、この学園----否。この〈檻房〉の中で、あなたは戦う?それともその他大勢と同じように逃げる?」
日常のなかで聞いたら、頭のおかしい冗談としか思えない質問。
けど今の僕には、それはどうあっても答える必要のあるもので。そして、答えなどもう決まっていて。
ふと、その時窓から一匹の、みすぼらしい蛾が教室に迷い込んできた。
そいつは、しばらく空中をさ迷っていたが、やがて天井の照明へ向かう。
そして、その光に触れた途端、バチッ、という音とともに、その蛾は地面へ墜ちていった。
最初のコメントを投稿しよう!