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その様子を、僕はぼんやりと眺める。ふと、その蛾に聞いてみたくなった。
君が光に引き寄せられ、そして死んでいったのは何故?
本能?それとも別の何か?
君は------死を覚悟してまで、光を求めたの?
地へ墜ちた死体は答えない。当たり前だ。
意味のない物思いを打ち切り、僕はまたハルの方を見る。彼女は相変わらず、高慢に微笑みながらさっきの質問の答えを待っているようだった。
僕は口を開く。ハルからの問いに答えるために。そして、自身の迷いを断ち切るために。
「-------僕は、」
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