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「ガチャリ」
「バタン」
「ガチャリ」
「バタン」
扉を開けて中に入り。
耳をすませながら少し徘徊した後に部屋から出ていく。そしてまた廊下を走り回る。
そんな行動を繰り返す。
なんともホラー映画の幽霊や追跡者の気分だ。
「ふふ。その調子その調子」黒幕から連絡が来る分余計にな。
俺「、、はぁ」
女の子達からすると探し回る俺も敵なんだろうなぁ。実際そうなんだけど。考えれば考えるだけ気が滅入ってくる。
「何々?もう息があがった?それとも心の疲れから来るもの?」
俺「普段部屋から出ない人間だから体力も無くてな」
「ふぅん。それにしては汗もかいて無いし。探し回るのに体力を余らせてる様に感じるよ」
俺「ははっ。そう見えるのは君にある感性がちょっと斜め下に向かってるからだよ」
「爆発したいかい?」
俺「いいえ」
そんな者リアル充実してる人間だけでいいでござる。
「、、いまいち君は自分が置かれている立場が分かっていない様子だね」いや。こんなゲームをしている実感が無いだけだと思う。
「、、、いいよ。もう一つルールを追加する」
俺「?」
「実はね。彼女達には逃げ道を説明してないんだ。そっちの方が面白いからね。だから。僕が許可するまで君は彼女達に逃げ道を説明してはいけない」
俺「っ。それって」
「もちろん拒否権は無いよ。僕は君のご主人様なんだから。ふふ。彼女達から見れば君はどんな風に見えるんだろうね」
俺「、、、変態が服を着て歩いてる様に見えるな」
自分でも分かる。軽口とは裏腹に嫌悪感が表情に表れている事が。
「あははっ。うん。いいよいいよ。君が困った顔をする瞬間が僕はたまらなく好きだ」俺は嫌いだ。
少なくとも。こいつが喜ぶ様な表情をしてた事だけは間違いないらしい。
「分かったでしょ。君の主導権は僕が握っている。口の聞き方や疑われる様な行動は避けた方が賢明だよ」
俺「、、、」
「おや。今度は無言の抵抗?」YES。オア。YES。
「何か喋って。これは命令」
俺「何か」
「ふふふ。君は本当にユニークだよ、、、だからこそ」
その時。
薄暗い廊下の先で何かが動いた。そいつは俺を見付けたのか。足音をたてて走り去って行く。
喉を鳴らした。
自分の命が掛かっているとはいえ、出来れば遭遇したくなかった。と思っていた自分に気付く。
俺「、、っ」
躊躇った後。足を走らせる。
「壊しがいがある」
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