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出発当日、車中
鎮
「はあ…長い道のりをまた俺が運転かいな。呑気にタバコなんぞ吹かしよって…」
俺は助手席でいつものスタイルでくつろいでいた。
慎一
「アホゥ、タバコ吸いながらコーヒーを飲む…この至福の一時がわからんのか?。」
鎮
「俺もタバコ吸うしコーヒー飲むから知っとるけど何でいつも俺が運転でお前は隣で至福の一時を決め込んでるんやと言っとるんや。たまにはお前も運転しやがれ!!」
俺は鎮の言葉を右から左へ流し、座席を倒して横になった。
慎一
「何でもええけど樹海の情報はないんか?」
鎮
「情報も何も言わずと知れた魔の森で別名は帰らずの樹海、または黄泉の樹海とも言われているんやけど自殺の名所で有名やな…葉を隠すなら森の中、死体隠すなら樹海の中ってな。自殺体だけやなく他殺体も多いと聞くで。」
慎一
「うへ…ますますもって行きたないな。前みたいな怪現象は起きんと思うけど、樹海の中はそれなりに瘴気が漂ってるわけやから少なからず怪現象が起きる覚悟はしといてもらわんとな…。なんせこの冥の力を持つ俺と例の捜査官が樹海にはいるんやからな。」
鎮
「そういえばその冥って言うのは闇とか魔やないんか?」
慎一
「属性もいろいろあってな、【闇】【魔】【負】【陰】【邪】【冥】と別れているんやがこの反対が【光】【聖】【正】【陽】【清】【精】と俺の中ではなってるんやがな。」
鎮
「んん?シンの【冥】の反対って何になるんや?」
慎一
「確証はないんやけど俺の推測では【精】、精霊を意味しててちょうどヒカリさんがこの属性にあたいする…。」
鎮
「だからシンの力に対して拒絶反応を示してたんか。」
慎一
「そう言えば前回の件でヒカリさんに迷惑かけたから埋め合わせするって言ったけど、あの後お互いゴタゴタしててそれどころやなかったんやな…すっかり忘れてたわ。」
鎮
「まあ埋め合わせは後でもええとして今回はマンドラゴラの採取やからさほど危険もないわな。」
慎一
「引っこ抜く時に万全の注意を払えば問題ないはずや。」
車は山間部に入り山道をひた走る。
そして空の雲行きが怪しくなってゆく。
慎一
「これは降ってくるな。」
鎮
「ってかもう降ってきたし。」
山道のトンネルを出たところで雨が降り始めていた。
鎮はゆっくりと車を走らせて目的地へ向かった。
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