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一方、同じように別ルートでおっちぃと捜査官が目的地に向かっていた。
車中…
おっちぃ
「雨降り出してきましたね。」
捜査官
「…」
おっちぃ
「あ、すいません…無闇に喋る事が出来ないんでしたね。」
捜査官は頷く。
おっちぃ
「ダッシュボードの中に筆記用具があるので何かあれば筆談でお願いしますね。」
捜査官はダッシュボードを開けてボールペンとメモ帳を取り出した。
捜査官
〔無用に言葉を発せられなくてご迷惑をおかけいたします。〕
捜査官はおっちぃの運転に支障がないように注意をはらってメモ帳を見せた。
おっちぃ
「いえいえ、迷惑なんてとんでもない。逆にこちらが話しかけてしまって申し訳ないです。なんでも言葉に力があり、喋るのを抑えているとか…」
捜査官
〔はい、言霊というものです…力の制御がまだ備わっていない未熟者なので…〕
おっちぃ
「そうだったんですか。話せないと生活にも支障が出るでしょ?」
捜査官
〔はい…携帯を持っていてもメールしか出来ません…おかげでメールは極めましたけど…〕
おっちぃ
「でも主となる本来の能力は違うんですよね?」
捜査官
〔はい…私はイタコの血筋なんですが体に憑依させる降霊ではなく触れた物の人の念や遺体に残る残留思念を憑依させて話す霊思念術師【ゴーストメトラー】なんです…〕
おっちぃ
「珍しい能力なんですね…でもその思念を憑依させて喋りだしたらマズいんじゃないですか…言霊の方が…。でも言霊を発すると何が起きてしまうのですか?」
捜査官
〔制御しきれていない言霊を発するとその言霊に霊が群がり吸収して力をつけてしまうのです。また群がってしまうため霊達が集まりやすく怨霊や悪霊なんかも来てしまうのです…なので仕事でメインの能力を使う時はもう1人バディをつけて捜査に向かうのですが…〕
おっちぃ
「今回お一人なのは?」
捜査官
〔今回は私の能力を生かす仕事でもないですし、何かあれば天草さんがいますから…〕
おっちぃ
「天草…ああ、シンさんか。うわ!完全な大荒れになってきましたよ…」
雨は止むどころか豪雨になりほとんど視界がなくなっていた。
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