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鎮
「ホンマにこのまま行かせてええんか?」
慎一
「忠告はした、あとは自己責任や。」
男女4人は更に盛り上がりながら樹海へと入っていった。
鎮
「あ~あ、行っちまいやがった…俺知~らね。」
慎一
「軽率な若者は少しイタい目に合わなわからんのや。邪魔になるんやったら俺が強制的に樹海の外に出すわ。」
…1時間後…
1台の車が近づいてきた。
鎮
「今度こそおっちぃさんかな?」
車は俺らの車の後ろに停車し、人が降りて来た。
慎一
「間違いないな、おっちぃさんや。」
コンコン…
車のウィンドウをノックする。
俺と鎮は車を降りた。
鎮
「おっちぃさんやっと来たか。」
慎一
「土砂崩れは大丈夫やったか?」
おっちぃ
「お二人ともお待たせしてすいませんでした。」
慎一
「俺に会いたがってた捜査官てのは?」
おっちぃ
「僕の車にいます。今呼んで来ますね。」
おっちぃは自分の車に向かい捜査官を連れて来た。
おっちぃ
「彼女が今回同行する捜査官で…」
おっちぃが捜査官を紹介しよとした時、捜査官は俺の前まで来て俺の顔を覗き込んで来た。
慎一
「アンタが俺に会いたがっていた捜査官か?」
捜査官
「…私は契(ちぎり)と言います…アナタが慎一さんですね…」
俺は咄嗟に捜査官の口を手で塞いだ。
契
「…もがもが…」
おっちぃ
「やはり気づきましたか?」
慎一
「おっちぃさんは事情を知ってるみたいやが鎮やおっちぃさんは感じないからわからんのやな…」
鎮
「え?なんでシンは初対面の人の口を塞いでんのや?」
辺りの空気が重く冷たく俺達を包む。
契
「もがもが…」
慎一
「契さん喋ったらアカン…」
契は頷く。
俺は契の口から手を離した。
慎一
「契さん、なんでわかってて喋ったんや?」
契はペンとメモ帳を取り出し筆談し始めた。
契
〔それは慎一さんがいるから…〕
慎一
「あ~、シンでええよ。でも俺がいるからって意味がわからんわ。」
おっちぃ
「あ、それは僕から説明します。」
おっちぃは契捜査官の特殊能力の特性と今までの捜査経験を説明した。
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