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手に淡い光が灯り、うっすらと背中から翼のような霊気が放出していた。 慎一 「自然の外気を吸収して霊気に変換するタイプやな…先天性で強い力や…しかし、その力が漏れ出しているって事はまだ魂の質が不十分で不安定…早い話が力を持て余している未熟者って事やな。」 契 〔…未熟者…〕 鎮 「お前、ハッキリ言い過ぎやぞ!。ごめんな契ちゃん…こいつホンマにデリカシーがなくて。」 慎一 「こういうのは歯に衣着せた言い方よりもハッキリ言った方がそいつの為にもなるんや。変な口出しすな!」 契 〔私は大丈夫です。〕 慎一 「それから俺と同じ力と言ってたけど根本的に質が違うな。契捜査官は純粋な闇の属性やな。」 契 〔シンさんも闇の力ではないのですか?〕 慎一 「大まかに分けると闇の部類に入れられてまうけど、俺は冥の力なんやわ。」 契 〔冥?〕 慎一 「ん~世間一般では光と闇やろ?その中でも各それぞれ属性があって、純粋な光と闇、そして陰と陽、正と負、聖と魔、まあ数えたらキリがないほどあるんやわ。」 契 〔その中でも私は純粋な闇…〕 慎一 「ただ契捜査官は2つの属性の性質をもってんのや…。本質は闇なんやけどその言霊が聖の属性やからどうしても本質の闇の力に負けて制御出来ないんやわ。」 契 〔訓練や修行をしても駄目なんですか?〕 慎一 「元々人間は2つの性質を持った生き物なんやが、その両方併用して力を使うのは無理があるんやわ。同じ性質の魔や負や陰…まあ闇に近い力なら問題はなかったんやけど相反の力はどちらかを閉じなければ短命になってしまう…わかりやすく言えば器となる肉体と要となる魂が相反する2つの力の負担に耐えきれないってことや。」 契 〔短命…〕 慎一 「器となる肉体が朽ちるだけならいいが魂まで消滅しかねない…。相反し矛盾する力を2つ持つと言うことは危険でリスクを追うってことなんや。」 おっちぃ 「シンさん、確かどちらかを閉じればと言いましたね?どちらかの力を閉じれば大丈夫なんですか?」 慎一 「ああ、競り合ってる力を1つ消せば肉体も魂も負担はなくなる。」 おっちぃ 「でもどうやって力を閉じて消すんですか?」 慎一 「それが出来るのは霊知能力者のヒカリさんやな。」 鎮 「あ~でもヒカリさんは志穂さんの解呪の為、なかなか捕まらないよ。」 おっちぃ 「今すぐ命を落とすわけではないんなら日を改めてみましょう」
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