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樹海内部
おっちぃ
「まさか日本の樹海にマンドラゴラが生息してるとは驚きですよ。」
鎮
「マンドラゴラは魔女が使う呪詛素材と思いがちだけど一説には人が死んで朽ちた場所に良く生えると言われ、戦争、紛争、大量虐殺とその場所に大量に生息したとも言われてんのやけど。」
おっちぃ
「そうですね。日本で人が朽ちて死ぬ場所はこの樹海で大量の人間が命を落とした場所。」
鎮
「恨みや悲しみ、無念で死んだ人間の魂が強くて大きい程、呪力の強いマンドラゴラが生えるともいわれているで。」
慎一
「条件的には打ってつけの場所なんやな…」
契
〔ここは…別次元に一番近い場所なんですね…〕
慎一
「ん~すでに異質空間に入ってしまったかもな。」
辺りを見渡すと鬱蒼と生い茂った木々が風もないのに不気味に揺れ、うっすらと遠くから叫び声や呻き声やらが耳に入ってくる。
まあ心霊場では珍しい事ではないんやが、今日はヤケに騒がしい…場所も場所なら来る人間も人間か…。
冥と闇の人間が2人もいるんじゃ洒落にならんわな…。
俺達は半ば獣道を進み少し開けた場所に到達した。
おっちぃ
「ふぅ~何事もなく現在1/3くらいですね。」
鎮
「昔から良く言う、行きはヨイヨイ帰りはコワい…てな。目的を果たして樹海を出る時に何か厄介事が起きるで。」
鎮の言った事はあながち外れではない。
お決まりのパターンと言えばそうなのだが、今回も骨が折れそうな仕事にはなる…間違いない。
慎一
「最初に忠告はしたけど、ホンマに覚悟しといた方がええぞ。」
鎮
「お前とどんだけ連んでると思うねん。覚悟よりもすでに慣れてもうたわ。」
おっちぃ
「前回のショッピングモールの件で酷い目に遭いましたから準備と覚悟はしっかりとして来ましたよ。」
契
〔私は…力のせいもあって常に警戒と注意と覚悟はしています…〕
慎一
「全員大丈夫そうやな。」
開けた場所で少し休憩をし、俺達は更に奥へと進んだ。
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