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「ねーねー晃ちゃん、宿題教えてー?」
「俺は仕事が忙しいの、ウチ帰って辞書引けよ、高校生(ガキ)」
「ウソばっか、今日原稿上がったくせに!」
「…なんで知ってんだよ」
「美里(みさと)ちゃんに聞いた」
「…いつの間に…」
晃ちゃんのお仕事は、作家。それもそこそこ売れてる。美里ちゃんは、晃ちゃんのお友達、兼担当編集者。晃ちゃんの作家としての才能を見つけ、サボり魔の晃ちゃんの手綱を握るすごいひと。
昔はそんな美里ちゃんに、めちゃめちゃ嫉妬した。晃ちゃんにそんな才能があるなんて知らなかったし、あたしの知らない一面をあたし以外の人が知ってることが、嫌で嫌でたまらなかった。
けどそんな気持ちはすぐに消えた。美里ちゃんに晃ちゃんを狙う気はないことはすぐわかったし、何より…
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