02 近づく距離

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苦しさのせいか、急に上がりはじめた体温のせいかはわからないけれど、視界が少しずつ涙でぼやけはじめる。 それでも目を逸らすことができなくて。 じっと見つめ続けていると、ふいにパッと悠希の指が離れた。 「雨が強くなる前に帰るか」 何事もなかったかのように空を見上げる悠希。 その横顔が、いつもより赤く見えるのは気のせいなのかな。 少しだけでもいいから、悠希もわたしみたいにドキドキしててくれればいいのに。 女の子だって意識してもらいたいよ。
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