2806人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・大佐」
「正直言って、これまでは犠牲を最小限に抑えるを第一事に考えていたが、今回ばかりはそうも言ってられん。そうだ。ラインツ閣下、軍医と看護兵の増員もお願い出来ませんか?」
「ううむ・・・そうしてやりたいのはやまやまじゃが、軍医と看護兵は慢性的に不足気味じゃで、それはちと難しいのう」
「なるほど。それでは仕方ありませんな」
申し訳無さそうに断るラインツにウィルは笑顔で頷く。
「ウィル、万が一にも殿下が連邦領に連行されたとして、どうやって越境するのだ?タリア星系は連邦軍ががっちりと固めている。不可能とは言わないが、抜くのは容易では無いぞ?」
あくまでも実戦レベルでの心配をするルイスだが、ウィルはひらひらと手を振ってから口を開いた。
「策は考えている。尤も、確信を得ていないから、まだ具体的にどうするとは言えないがね」
ウィル以外の三人は思わず顔を見合わせた。
最初のコメントを投稿しよう!