苦悩と決断の先に

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その頃、辺境宙域の最深部では連邦軍超大型戦艦ゲイボルグがその巨体を潜めんと岩礁帯の中に収まろうとしていた。 「よし、停止せよ」 レナードはゲイボルグが大きな岩塊の脇に差し掛かると艦を停止させる。 「停止しました」 「・・・向きが悪いな。航海長、右に旋回し、岩塊と平行に艦を向けてからアンカー・レッコ(投錨)だ」 「了解しました。右旋回します」 航海長の操作で艦首、艦尾のスラスターが動作し、ゆっくりと旋回し始める。程無く、岩塊と平行の向きになるとスラスターを逆噴射させてゲイボルグは完全に停止した。 「右舷アンカー・レッコ!!」 航海長の号令で砲弾形の錨が艦首、艦尾からそれぞれ2本。船体中央から4本が錨鎖を曳きながら打ち出され、岩塊に深々と突き刺さる。刺さった錨からは抜け防止の返しがせり出し、岩塊にがっちりと食い込んだ。 「艦長、岩塊へのアンカリングが完了しました!」 「ご苦労」 レナードは敬礼しながら報告する航海長に答礼しながら短く答えた。
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