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「では・・・ここまでの無事に乾杯しよう」
カチン・・・
二人はグラスを合わせる。ちなみに副官はウィスキーをロック。ジェニーはソーダ割だ。
「それにしても、ここまでの強行軍に良く機関を維持してくれたな。見事だったぞ」
「ありがとうございます。私・・・いえ、小官の力は些細な物です。無茶に耐えられる良い機関だと言うことと、実際に作業をする機関兵が優秀であることの2点が大きいですわ」
ジェニーは微笑みながら軽く頭を下げる。
「そう謙遜するな。本艦の建造に先立ち、貴官を技師の1人に招き入れる為に、軍へ入って貰った訳だが・・・うん。大正解だったな」
「ふふっ、あの時は驚きましたわ。艦長自ら小官の所へいらして軍への入隊と本艦建造の手助けを求めて来たのですから」
「ああ。我が軍はゲイボルグ建造において、この巨艦を動かす強力なワープエンジンが必要だった。そこで白羽の矢が立ったのは我が国一の機関工学の権威、ポートマン博士・・・すなわち貴官の父だった訳だ」
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