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「騒がしいな。どうした航海長?」
首を捻りながらウィルが訊くと、
「どうしたもこうしたも、用があって自室に戻ったのですが、食糧が部屋中山積みになっているじゃあありませんか!」
ヴィーザルがまくし立てると、
「ああ、食糧庫にも弾薬を積載するのでな。士官、下士官の居住区に食糧を移したのだよ」
涼しい顔でドンナーが答える。事実、士官、下士官の居住区は既に部屋の床から天井までびっしりと積み上げられており、それでも収まり切らない食糧は通路の半分程を占有していたのだった。
「マジですか・・・?」
「勿論、ベッドは空けてあるから寝る分には問題無い筈だが?」
「本当は士官、下士官には兵と同様に大部に移ってもらおうとも思ったのだがな。さすがにそれは上下の示しがつかないし、間もなくやって来る装甲兵団の居住スペースも確保しなければならん。悪いが我慢してくれ」
「はぁ。大佐がそうおっしゃるなら仕方ありませんが・・・」
ウィルはドンナーの説明に補足すると軽く頭を下げた。ウィルにそんな態度をとらせては、ヴィーザルとしては引き下がるしか無い。
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