静かな怒り

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「了解ですが・・・これ以上の積載は結構骨ですぞ?」 「ああ。艦長予備室と貴人室、司令官室ならびに第2会議室も食糧、医薬品の備蓄に使って構わん。それでも足りなければ俺の部屋にも入れてしまえ」 ウィルはドンナーから手渡された艦内見取図を見ながら指示を出す。続けて、 「あと、4本ある清水タンクのうち、1本を抜いて、替わりに航空燃料を入れてくれ」 「・・・了解ですが、再処理装置が故障か損傷したら水不足になります」 さらりと指示するウィルに、ドンナーは難色を示す。艦内で使われた水や乗組員が排出する汚物は再処理装置によって浄化され、清水として繰り返し使用されるが、装置が使えなければ清水は減るだけなのだ。 「その時は再処理装置が生きている艦に汚水を廻して融通させれば良い。問題無い筈だ」 「ですが、再処理装置の処理量にも限度があります。仮に使えない艦が続出した場合はどうします?清水の積載量まで減らすのは反対です」 「機関長、再処理装置は装甲区画の中にある。そのような事はあり得ん。仮にそうなる場合は艦隊の大半が沈んでいる。ある意味、心配は無用だ」 あくまでも反対するドンナーだが、ウィルは無表情に言い切るとブリッジを後にした。
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